Asile flottant, Louise-Catherine de Le Corbusier au quai de la Seine
2021年はル・コルビュジエ建築の話題で始めましょう。でも普通の建物ではありません。オーステルリッツ駅のセーヌ河岸に浮かぶペニッシュ、ルイーズ-カトリーヌ号の数奇な運命のお話です。
このペニッシュは、1915年にルーアン、パリ間の石炭の運搬用に作られました。しかし石炭を運んだのは数年だけ。第一次世界大戦が勃発し、そのままずっと放置されていたものを、救世軍が1929年に買い取り、1930年に貧しい人々の救済施設として改造されました。アジール・フロッタンとは水に浮かぶ避難所の意味。その改造を担当したのがル・コルビュジエです。以前このブログで取り上げた13区の救世軍センター、シテデレフュージュの建設も、この当時彼が担当する事に決まっていました。
全長70m、700トンと大きなもので、中はベッド数160のドーミトリー、食堂、厨房、バスルーム、職員の住居が組み込まれ、屋根の上はセーヌを見晴らすテラスと、船というよりは横長の立派な建物です。上写真、立ち入り禁止の柵で隠れてよく見えませんが、左右とも写真からはみ出す大きさです。
冬はホームレスの住居に、春夏は子供の林間学校としても使われたそうです。
ベッドの並ぶドーミトリー、船の狭い空間がコンパクトに100%利用され、これがル・コルビュジエの有名な、人体の寸法を基本とした建築のメジャー、モデュロールの原点になったのだそうです。
現在上写真の状態で、修復はまだまだこれから。2022年にアートセンターのような形で甦るようです。
中の円柱はル・コルビュジエのトレードマークと言えるような鮮やかなブルーに塗られている写真を見ました。修復が成功すればすてきなアートセンターになりそうです、パリの名所がまた増えますね。
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