元旦に今年壊される予定のホテルオークラについて書きましたが、その時“フランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテルも壊された”との記事があったので調べたところ、この“ライト館”と呼ばれていた旧帝国ホテルがあまりに素晴らしかったので、ここで取り上げることにしました。上の写真は辛うじて壊されなかった玄間ホールと手前の池、下はホール内部、愛知県犬山市の明治村に保存されているそうです。
内部は細部に至るまで斬新なアール・デコで、当時としては相当なアヴァンギャルドだったことでしょう。専門家ではないので何という様式かわかりませんが、マヤやアステカなどをちょっと連想してしまう(それとも仏教等日本のデザインのアレンジか?)石やレンガの精巧なオーナメントがあちこちに。照明も天井から壁ランプまで美しく、アールデコにアレンジされたぼんぼり(お雛様のあれです)型のランプも素晴らしい!
上の写真は日光の東部ワールドスクエアーにある1/25の模型。大雑把でまるでハリウッド、本物とのギャップが悲しいですが、それでも平等院鳳凰堂から影響を受けたという旧ライト館が、いかに壮大だったかわかります。これを見た後、目をつぶって、建物全部をオリジナルの古色蒼然としたレンガで想像してみましょう・・・あぁ、もったいない・・全部瓦礫になって東京湾に埋め立てられたのか?それとも欧米でよくやるように、壊す前にパーツにして、一部でもオークションなどで救われたのでしょうか? 食器に至るまでライトがデザインしたので、フォークやスプーンでも装飾美術館級アイテムだったはず。アールデコのドアや引き出しの取っ手、鍵穴やお風呂の蛇口などほんの小さい部品だって惜しまれます・・・・無傷で残っていたら、帝国ホテルは今重要文化財ホテルとして、東京のヴェルサイユ宮殿になっていたかもしれない。高度成長期の真っただ中(1968年)で、何百年も前の建物ならまだしも、近代のものを保存する観念も余裕もなかったのですね。
なんとロイド館落成式が関東大震災の日だったそうで、それでも倒れず。火が迫ったけれど、ライトが周囲の猛反対を押し切って防火用に作った池から水をかけて火災も防げたとのこと。模型の池は安っぽいプールみたいなので、これは無視して古い写真の方を見てください。
***写真は㈱リネア建築企画さんサイト http://www.linea.co.jp/info/detail/?iid=457 より拝借しました、ありがとうございます。明治村とワールドスクエアーの写真が沢山あり、大変わかりやすく貴重な資料です。内装のディーテールが詳しく出ていますので、ご興味ある方はぜひこちらのサイトもご覧になってください***
結論: それだからこそ、今ある国民の遺産を守りましょう。署名運動Save the Okura!http://savetheokura.com/ !!
詳しくは1月1日のブログ御参照下さいhttp://kaleidoscope-design-paris.blogspot.fr/2015/01/blog-post_1.html
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