3/10/2015

プラハのキュービズム・カフェ、グランドカフェ・オリエント/ チェコNo.1


Escapade Prague No.1/ Grand Café Orient

プラハに行こうと決めたのは、用があったワイマールから一番近い東欧圏にあり、東欧一番とも称えられるれる古都だったから。しかし予期していなかった20世紀初頭の貴重な建築が沢山残っていたので、ワイマールのバウハウスと合わせて、アーキテクチャー・ツアーになりました。

まず、世界で1つしかないキュービスト・カフェがあるというので、グルメも兼ねてさっそくトライ。漠然と立方体や直方体の、赤、黄、青のモンドリアン風な内装を勝手にイメージしていたので、鋭角な三角形を組み合わせたアールデコに近い建物に戸惑いました。後で調べたところ、キュービスム建築とは、19世紀の初めにわずか10年程の間だけ、しかもチェコだけに作られたスタイルなのだそうです。ピカソやブラックとパリで交流したチェコの芸術家達が、母国に帰って建築に応用したもの。そして“キュービズムの始まりはピカソのアヴィニョンの娘達”という箇所で眼から鱗! キュービズムでも四角だけではないのですね、勉強不足でした・・・
一方私がキュービズムだと思っていた四角い建物は、実は機能主義 -Fonctionnarisme- でも両方がミックスしていることも多い。

グランドカフェ・オリエントは、建物全体がキュービストの “黒い聖母の家” の2階にあります。まず圧巻は1階入り口の門と螺旋階段。アールデコに限りなく近いのに、尖った三角形のフォルムが独特なムード。キュービズム建築の説明に、光と影の使い方に特徴があると書いてありましたが、全くその通りで、硬くくっきりした影は、あまりホームスイートホーム向きの建築ではなさそう。これがチェコだけで、しかも長続きせず、すぐにアールデコや機能主義建築にとって代わられたというのも、なんとなく理解できます。


      
アヴィニョンの娘達
カフェの中のインテリアは、ソファーの背やカーテンのカット、ランプなどにキュービストが感じられるほかは、わりあい普通。もっと徹底して鋭角の内装にしたらすごいのにと思いますが、三角の椅子では座り心地が悪そう。でも三角形やひし形のお皿くらいはあったら楽しいのに・・・ 尚奥にピアノがあって、生演奏のクラッシックがバックミュージックです。

ケーキはシュトルーデルと、美味しかったリンゴとクルミの乗ったチョコレートケーキ、飲み物はウインナコーヒー風のチェコのコーヒーとワイン。なぜワインかというと、プラハの新市街は昔一面ブドウ畑で、ワインがおいしいと聞いてたからで、2回地元のワインを試し、2回ともアタリ!でした。


      
カフェの上にはキュービスト博物館があったのに、行きそびれました。1階にはKubistaというキュービスムのインテリア雑貨ショップがあり、素敵な品揃え。見るからに高そうですが、手の届く価格帯のカップやノート類、特にキュービズムの本に面白いのがありました。やっぱり三角椅子は実用的でなさそうです。

河岸にあったキュービストの家。バルコニーや入口を飾る尖ったオーナメント、窓の形などが典型的

      


      

Grand Café Orient   
Ovocný trh 569/19 Praha - Staré Město, République Tchèque http://www.grandcafeorient.cz/

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