les photos par http://obligi.fr/
L'art de marqueterie/ Le maître d'art Hervé Obligi
先日催されたLes journées des métiers d'art レ・ジュルネ・デ・メチエ・ダール(美術工芸職の日)に、象眼細工のメットル・ダール(日本の人間国宝に相当する人)のアトリエに行ってみました。昔の建物の壁や床の装飾、アンティークの家具などで象眼細工は沢山目にするものの、装飾過剰のような気がして、あまり好みではないと思っていたのに、フィガロ・スコープに出ていた小さな記事で急に興味を持ったのです。以下はその要約。
【フランスでたった1人の象眼細工のメットル・ダール、エルベ・オブリジ:
この職業をもう30年やっていますが、毎日何かしら学ぶことがあります。石の世界は変化に富んみ、2つ同じものは無く、興味が尽きません。新しい石を買うたびに新しい発見があります。私はこの硬い素材と現代の素材との相乗効果が、クラシックな花や鳥より好きです。新しいテクニックを使えば、何でもデザインすることができます。これはピアジェの時計の文字盤、それはフィレンツェの礼拝堂のパネルを美術館の依頼で修復しています。
メットル・ダールであるという事は、珍しい職業であり、そのため技術を後継者に伝えなければならないという事です。今までに12人くらいに教えましたし、7年前から見習いがいて、今彼は22才です。修復や創作の繰り返しを10年くらいして、やっと一人前でしょうか。
1世紀に1回修復するような美術品があります。このような昔の作品に接するのは素晴らしく、それを見ていると、自然に謙虚な気持ちになるのです。】by Figaro Scope 30-5Avril
毎日新しい発見のある石の世界、古い作品に接すると謙虚な気持ちになる、という静かな言葉の中に、並々ならぬ情熱を感じました。
上は剣、盾、冑のモチーフの床の象眼細工、下は壊れた部分を新しい石で作り直しているところ。
ご当人のオブリジさんは、私と同じビジターだけれど石の専門家らしい人(彫刻家かも)と熱心なお話中で、ピアスのイヤリングに腕にタトゥーのある青年が色々説明してくれました。この仕事に打ち込んでいる感じだったので、なぜこの珍しい職業を選んだの?と聞いたら、小さい時から石が好きだった、あんまり好きだったので石工の仕事を習っていたら、そこの知り合いからエルベ氏の事を聞いて弟子入りしたとのこと。はは~ん、これが例の22才の見習いなんだ・・でも7年見習いしてるってことは、始めたのは15才?!
いつ一人前になれるの?との質問には、一生勉強することがあると思うとのお返事。天命というか、この師にしてこの弟子あり・・・まだ少年の面影の残る、ごく普通のこの若者の、どこにこんな情熱が潜んでいるのか・・
このモチーフ、とても古典的だけれど、エルベ氏の創作で、修復ではありません
仕事台の上には、ルネッサンスらしい小型の風景のパネルが乗っていました。これがまた素晴らしく美しくて、私の象眼細工の概念を覆すもの。このブログの一番上の写真のパネルにちょっと似ていました。
特に感激したのは、オブリジ氏の創作。下の写真はアール・デコ風のテーブルで、表面のドットは、半球に丸くにカットされた透明のクリスタルの底に、金箔がはめ込まれています。この外に、次の展示会に出すという、クリスタルの天然のままを水平に輪切りにして、パズルのようにはめ込み、全く違った不透明のグレーの石で囲んだ丸テーブル。どちらにもうっとり・・
写真を撮る気になれなかったので、ここに掲載した写真はみなエルベ・オブリジ氏のサイトから使わせていただきました。ありがとうございます。
les photos par http://obligi.fr/ Merci beaucoup!!
Hervé Obligi, Atelier Rez-de-chossée, 25 Av.Jean-Moulin 93100 Montreuil