6/01/2020

ラ・フェリチタ/ アール・フレシネ


La Felicità, La Halle Freyssinet

イタリア読みでラ・フェリチタ La Fericità、フランス人が読むとラ・フェリシタは、次々に大ヒットのイタリアンレストランを展開するフランスのグループ、ビッグマンマBig Mamma経営の、巨大なイタリアン・フードコートです。なんでもヨーロッパで一番大きなレストランだとか・・
2年前(だったかしら?)のオープン以来、大人気、大センセーション、長蛇の列で敬遠していましたが、最近はだいぶ落ち着いてきたようです。写真はコロナ騒ぎが起こる前、平日午後の空いている時間帯に撮ったもの。スタートアップの集まるスタシオンF内にあるせいか、お客様は個人やグループで仕事をしている人たちが殆どでした。

大ホールをいくつかのセクションに区切り、高い天井から下がる大きなバルーン、ヴィンテージ列車を改造したキッチン、グリーンの植物がアクセントです。写真上の奧が有名なカクテルバーで、夜はぎっしり並んだボトルがイルミネーションに輝きます。

この巨大な建物はアール・フレシネ Halle Freyssinet と呼ばれ、1927年にエンジニア、ウジェーヌ・フレシネEugène Freyssinet(1879-1962年)が、オーステルリッツ駅裏に建てた国鉄の貨物駅です。教会の身廊に例えられる北、中央、南の3つの半円筒形の屋根を持つ大ホールは、幅72m、奥行き310m。フレシネのテクニックの特徴はその軽さだそうで、屋根のアーチはとても薄く、7cm。専門家でないので詳しい説明はできませんが、この béton précontraint という技術は当時建築界で大変話題になり、その後世界各国に広まりました。フレシネは驚くほど沢山の橋やダム、教会等を建設し、オルリー空港の格納庫も作っています。オーギュスト・ペレほど一般には知られていないけれど、ペレがコンクリート建築の生みの親ならば、フレシネは育ての親といえるのかも・・・

2006年に貨物駅としての役目を終えてから放置され、一時は取り壊しの計画もあったりと紆余曲折の末、2011年に国の歴史的建造物に指定され、2013年、実業家グザヴィエ・ニール(Free、ル・モンド誌 etc.)が買収。総面積34,000㎡の、世界で一番大きいと言われるスタートアップのインキュベーション基地に改造されました。名前は元貨物駅だったこととフレシネの頭文字を取って "スタシオンF"
スタートアッパーのワークゾーン、オープンステージやイヴェントスペースのシェアゾーン、そしてレストラン/カフェ/マルシェのリラックスゾーンの3ゾーンがあり、このレストラン部分がラ・フェリチタです。4500㎡(内1000㎡がテラス)。
工事の写真は、改装中にあった文化財の日の、一般公開の時に撮りました


左(北側)にもう一つ屋根+天窓の身廊があります。
取り壊さずに保存されたといっても、オリジナルは結局天井、天窓、柱しか残っていません。仕方ないですね。そのおかげで、全く新しい現代にマッチした建物に生まれ変わったのですから。
こちらがスタートアップ・キャンパス入り口とレセプション。

コロナウィルスでずっと営業停止だったレストラン、カフェが、明日からテラスだけですが一斉にオープンします。ラ・フェリチタはテラスが広いので、また行列になるかも・・

La Fericità    Station F,  5 Parvis Alain Turing 13e 

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