11/28/2013

ラデュレのコスメティック “レ・メルヴェイユーズ”


Les Merveilleuses de Ladurée chez Séphora

この秋マカロンで有名なラデュレは、コスメティックのコレクション、レ・メルヴェイユーズを発表しました。これはすでに去年から日本でテスト販売されて大成功だったというもので、パリでは化粧品の専門店セフォラの大型ショップ、シャンゼリゼ店、オスマン店、マドレーヌ店の3店舗のみで、2年間のエクスクルーシブで販売されます。発売以来、有名なパティスリー店が化粧品を売ることについて、マーケティング至上主義への反対論と、ラデュレは有名ブランドなのだからいいではないかとの賛成論を耳にしていたので、遅まきながら見に行ってきました。
さてシャンゼリゼのセフォラでは、目立つ場所にきれいにディスプレーしてあるかと思ったのにそうでもなく、普通の棚に並べてありました。ロココ風の容器は、写真で見ると豪華なのですが、本物はプラスティックらしい?のが残念。かわいい箱も、台付きで球形のパウダー入れが入ったものは大きいので、スーツケースに制限のある旅行者はお土産に沢山買えないかもしれません。フランスでもコスメティックやガーリーなブログで沢山取り上げられているので、これからのクリスマス商戦、どうなるでしょうか。

Séphora  70-72 Av.des Champs Elysées 8e  

11/26/2013

ギャラリー、レ・ドゥッシュのヴィヴィアン・マイヤー展


Vivian Maier aux Douches la Galerie 

レ・ドゥッシュは、Les Douches(シャワー)からもわかるように、昔の公共浴場(キャビン式のシャワー)を改造して作られた写真専門のギャラリーで、アールデコのファサードとホールがそのまま残っています。このギャラリーで、今写真界でちょっとした話題の展示をやっています。
写真家の名前はヴィヴィアン・マイヤー、シカゴで住み込みのナニーをしていた女性で、子供達の世話をしながら50-60年代に写真を撮り続け、その沢山のネガティブを殆ど現像せずにロールのまま残しました。このネガティブが沢山の箱入りで競売に出され、たまたま1箱手に入れた不動産エージェントのジョン・マルーフが、いくつか現像されていた写真の美しさに打たれてその外も現像し、あわててばらばらに競売された外の箱も買い戻したのがおとぎ話の始まりです。箱の中にあった現像所の受け取りのヴィヴィアン・マイヤーの名をネットで探した結果、ほんの数日前に出された、シカゴ・トリビューン紙の彼女の死亡広告にヒットしたのが2009年。マルーフはトータルで10万枚以上にもなる写真を元に“ヴィヴィアン・マイヤー、ストリート・フォトグラファー”と題した写真集を出版し、大きな反響を呼び、それがパリまで来たというわけです。新聞の評には、“沢山の写真家が嫉妬を感じるくらい、いろいろなテクニックを使い、それに全て成功している”とありました。

 
鏡、ショーウインドー、バックミラーなど、映るものは何でも使って沢山の自画像も撮っています。影だけのものも沢山あり、それらは麦わらの帽子を斜めにかぶり、時には肘にハンドバッグを下げ、もし帽子にマーガレットの花が差してあったら、もう一人の世界的に有名なナニー、メアリー・ポピンズのシルエットのよう・・・

彼女の生前にこの栄誉がもたらされなかったこと、それ以上に、彼女自身が自分の作品の現像したものを一部しか見ていない事が、このおとぎ話のもの悲しい一面ではあります。新聞に出されたという彼女の死亡広告は、昔彼女が世話をしたゲンスブール兄弟が出したもので(彼らが晩年の彼女を経済的に援助していたらしい)“ジョン、レーン、マシューの2人目の母であり、その自由な思想で彼らの人生に魔法をもたらし、いつも助けの手を差し伸べ、映画のよい批評家であり素晴らしい写真家、大変珍しいユニークな人を失ったことを悲しむ”という、単なる儀礼では書けない内容のものでした。


Vivian Maier, Les Douches la Galerie 12月21日まで 5 rue Legouvé 10e

11/23/2013

タルト専門店タルト・クリュゲール

Tartes Kluger

今日は前から書こうと思っていた、タルト・クリュゲールについて書きたいと思います。今パリはバーガー、フィッシュ&チップス、キッシュ、ファラフェルなど、伝統的なフランスのビストロ料理と比べると、ファーストフード的な軽いスナックのランチが、おしゃれなボボ達を中心に大流行り。殆どが厳選された新鮮なビオの素材を使い、ヘルシーで、けして安物ではありません(その最たるものはロブスター・ホットドックで、勿論本物のロブスターを使用しているのでお値段もそれなり・・)。2009年創立のタルト・クリュゲールはそのパイオニア的存在で、トラック・フード(トラックで、テイクアウトの主にランチを販売)としても、まだまだ珍しかったころなのでとても話題を呼びました。
オーナーのカトリーヌ・クリュゲールさんは、弁護士から大好きな料理に転向した珍しい経歴の持ち主。サレ(食事用)のキッシュ、シュクレ(スイーツ)も、パイ皮から中身まで彼女のオリジナルで、だいたい1月毎にメニューが変わります。テイクアウトもOK,そして丸ごとのキッシュやデザートのタルトの配達もします。写真はほうれん草のキッシュ(パイ生地にゴマ入り)と、バルサミコにゴマを散らしたイタリアンとアジアのミックス味のドレッシングのサラダで美味でした。これに本日のスープをプラスして13ユーロ。


店内はファクトリー風ビンテージ家具と現代のすっきりしたデザインのものが混じり合い、これも今人気のスタイル。お店の奥がアトリエアになっていて、配達の分も全部ここで作られます。テーブルの上に色鉛筆があるのは、お隣でグループが、ザートを食べながらなにやらデザイン関係のお仕事のミーティング中だったため。でも色鉛筆が異質な感じはせず、インテリアの一部のよう。

オリジナルのレシピーも4、5冊あり、これはトラック・フード型のかわいいレシピー
Tartes Kluger 15 rue Trousseau 11e    www.tarteskluger.com

11/20/2013

装飾美術館のブティック、サンセット・リボリがリニューアル

Kaléidoscope Design Paris

Seconde vie pour Le 107 Rivoli


装飾美術館Les Arts Décoratifsのブティック、サンセット・リボリ107 Rivoliがリニューアルされ話題になっています。マチルダ・ブレティヨのデザインによる今までにも増して洗練された店内は、テーマを持つ特別のディスプレーが可能になり、またリボリ通り側のショーウインドーの商品も、テーマを変えてコンスタントに変化します。装飾美術館ならではの伝統的な手工芸品からヤング・デザイナーのアヴァンギャルドな作品、デザイン関係の本、オブジェ、アクセサリー、ステーショナリー、食器、子供向けの雑貨などが集められ、ミュージアム・ショップというよりは独立したブティックとして充実し、もちろん美術館の入場券が無くてもリボリ通りから直接入ることができます。ブティック名の107はリボリ通りの107番地だから。

デンマークのヘイの雑貨
ブルレック兄弟のエクスクルーシブ・デザインの食器
 今一番旬なフランスのレストランガイド、フーディングも本のコーナーに

107 Rivoli   107rue de Rivoli 

11/18/2013

タンタンとBD収集家のお話し


Tintin et ses collectionneurs

19世紀末のパリを彷彿とさせるレトロな雰囲気一杯のアーケード、パッサージュ・ヴェルドゥー内のローラン・ビュレ書店は、昔のBD(ベーデーbande dessinéマンガの略)専門店として品揃えが素晴らしく、ファンにはたまらないお店。この道30年の店主ローラン・ビュレさんは、コレクションが増えすぎて置く場所がなくなり、30才の時にほんの2-3年のつもりで書店を開いたのが、そのまま30年続けてしまったという根っからの収集家。中学1年の時にジャン・コクトーを読みショックを受け、コクトーの本など彼に関するものを何でも集め始めたのがはじまりで、その後伯父さんの屋根裏にあったBD紙 “Junior”を見てこれにも大感激し、BDもコレクション始めました。そのころはセーヌ岸のブキニストも沢山の本を扱っていたし(今は観光客用の絵ハガキや土産物の方が多い)、古本屋がどこにでもあったのに、今ではほとんど消えてしまい、やむなく自転車でパリ中をくまなく回り、おもしろい本を扱っている店を自分でリストアップしたそうです。決定的に凝り性な人ですね。


1955年にタンタンは5フラン95サンチーム、当時としては安い金額ではなかったので、クリスマスのプレゼントはそれだけ。だから1冊のBDがとても大事で何度も読み、小さい子供達はそれで字を覚えたそうです。テレビ、映画、ゲームの沢山のヒーローに囲まれている現代の子供達には考えられないくらい、タンタンへの愛着が大きかったのですね。タンタンの収集家は“狂”が付く人も沢山います。今収集家が一番探しているのはタンタンの黒白版。また70年代以後はすべすべした紙を使うようになり、50年代以前の紙で印刷されたものの方が、ずっと奥行きのある美しい絵なのだそうです。またBDの画家は子供の本の挿絵も書いたので、お店には当時のジュニア本のコレクションも沢山置いてあります。
ビュレさんはBDは商売としたけれど、プライベートでは、いまだに読むと感動するというコクトーの、原稿、デッサン、絵、陶器などを集めて、コレクションはかなり充実しているとか。こちらの方は展覧会でもしてくれるといいのですが・・・

Librairie Roland Buret   6 Passage Verdeau 9e

11/16/2013

珍しいアンドレ・シマールの家具


 Simard Focus1954 au Galerie Pascal Cuisinier

ボザール近くのギャラリーで、素敵なミッドセンチュリーの家具を見つけました。パンフレットの説明によると、デザイナーとして活躍した期間がとても短いために、名前もほとんど知られていないアンドレ・シマールという人の作品でした(早世したのではなく、有名家具メーカー、ロッシュ・エ・ボボワの開発部門のチーフとして以後長く活躍しています)。

このテーブルとても人気があるそうですが、ギャラリーにあって今売れるのはこの1点だけ

ネットで探してもアンドレ・シマールについてあまり出て来ません。その中でミッドセンチュリーの家具を売るサイトに、すっきりとした北欧風のファブリックでカバーされた彼の椅子が出ていました・・・やっぱりvenduソルド・アウト。

Simard Focus1954  
Galerie Pascal Cuisinier 13 rue de Seine 6e 

11/14/2013

マリークレール・イデーの手作り見本市

                          
Le Salon Créations & Savoir-Faire 

手作りとライフスタイルの雑誌マリークレール・イデー主催の見本市が、ポルト・ド・ベルサイユの見本市会場で開催されています。フランス中からメーカーが一堂に集まり、あらゆる材料やパーツが販売され、またアイデア交換の場としても手作り好きにはたまらない催し。いつも大盛況で、特に最近はdo it yourselfの風が吹いて手作り人口が増えていることもあり、通路が通れないくらいぎっしりの人出でした。
ソーイング/カスタマイズ、インテリア/スイーツ、ペーパー/スクラップ、ニット/刺繍の4つのテーマに分かれて、材料だけでなくプレゼントにしたくなる小物の製品、手作りが苦手な人にも簡単にできるキットから、プロ並みのエキスパート用の材料まで揃い、アトリエで講習を受ける事もできます。
  
            
            
お菓子作りの道具、デコレーション・グッズ
          
           
          
          

            
人形の家のパーツ
 
ファブリック特にプリント生地、ペーパー類、紐類は、ショップでは見られないものが沢山
アトリエ

Le Salon Créations & Savoir-Faire 17日まで http://www.creations-savoir-faire.com/
Paris expo Porte de Versailles, Pavillon 7.2 1 Place des la porte de Versailles 15 e