11/12/2013

オランダのデザイナー、イルマ・ブームの“本の構造”展


Irma Boom  L’architecture du livre

今年一杯でクローズしてしまうことになっているオランダ・インスティテユート(919日のブログ参照)は、“本の構造”と題した、オランダの著名なグラフィック・デザイナー、イルマ・ブームの本のザインを紹介していますが、最後を飾るとても見ごたえのある展示です。
フェラーリ、シャネルなどの高級メゾンの本、詩や写真集、旅行記、デザイン関係の本、美術館のガイドブックなど、イルマ・ブームの手がけた80年代末から現代までの作品と、デザインのプロセスが展示され、これだけまとまった展示はフランスで初めてとのこと。表紙、裏表紙のデザイン、内部のレイアウト、本のサイズ、紙の素材選び、カラー、製本等細部まで計算されたデザインの本達は、それ自体が美しい芸術品のよう。添付の写真では、微妙な半透明やざらついたりした紙の質の違い、背表紙のデザインと綴じのユニークさなどがはっきり見えないのが残念です。彼女の本はニューヨークのMoMAにも常時展示されているほど世界的に評価を受け、数々の重要な賞も受けています。


イルマ・ブームは、アイ・パッドなどのディジタルな読書の発展は、イコール本の消滅には繋がらないのではないか、逆にこの初めて現れた競争相手のお陰で、本の本当の価値を再認識し、本のルネッサンスとなるかもしれないと考えています。ディジタルに比べて本は実態のある存在で不変、またiパッドの平面に対して本は3次元の立体なので、本の構造が内容を反映するなど読者に訴えかけるものが大きければ、差別化のカギとなるのかもしれません。


Irma Boom  L’architecture du livre 12月15日まで
Insutitut Néerlandais  121 Rue de Lille 7e  http://www.institutneerlandais.com/tentoonstelling/ 

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