3/31/2014

北欧の風、カール・ラーションがプチ・パレに

 
一目で北欧と分かる編み込みの帽子とセーターで、スカンジナビアを強調したポスター
Carl Larsson au Petit Palais

カール・ラーションはスエーデンを代表する画家で日本にも沢山のファンがいますが、なぜか同じヨーロッパなのに案外フランスでは知名度が低いようで、今フランスで初めての回顧展がプチパレで開催中。ストックホルムまで行かずにこれだけ沢山見られるチャンスはめったに無いので、ファンには見逃せない展覧会です。

 

上の3点は、ラーションがパリ留学時代に描いた初期の水彩で、当時アングロサクソンとスカンジナビアの画家たちが集まっていた、フォンテンブローに近いグレ・シュル・ロワンの村が舞台に。水彩とは思えないすごいテクニックと、のどかな自然を暖かい目で見つめた美しい作品で、上2点はすぐにストックホルムの美術館が買い上げたそうですが、パリのサロンでは成功することができませんでした。
下は入口を入ったすぐのところにあった、見ているだけで自分もこの雪景色の中にいるような気分にさせられる素晴らしい油絵で、スエーデンに引き上げた後の作品。以後はあの有名な“私達の家”という水彩集など、家族の日常を描いた作品を沢山発表しましたが、なぜか輪郭をきっちり取ったイラストのような画風に変化します。日本画にとても傾倒していたそうなので、線書きの浮世絵に影響を受けたのでしょうか・・

私達の家

ラーションの絵では、彼の家のインテリアの存在が欠かせない重要な要素です。上の絵のギュスタヴィアン・スタイルの椅子に似たイケアの白い椅子が、会場内あちこちに配置され(ラーション家のインテリアが、現代スエーデンの家具に影響を与えているとか・・)、休憩用のソファーも、ラーション家と同じ朱赤のものを置いてムードを盛り上げ、サンドボーンの家から運ばれた本物の赤い椅子も展示されていました

Carl Larsson, L'imagier de la Suède, Petit Palais  Avenue Winston Churchill 8e