11/17/2014

フランク・ゲーリーのルイ・ヴィトン財団美術館


Fondation Louis Vuitton de Frank Gehry

LVHM のルイ・ヴィトン財団美術館(フォンダシオン・ルイヴィトンFLV)がブーローニュの森にオープンし、パリにまた1つ名所が増えました。
建築家フランク・ゲーリー(FG)による面積11,700㎡(土地面積4,500㎡)のこの建物は、セリグラフィー付きの、1つずつ形の違う3,800枚のガラスパネルを使った12の“帆”を、一杯に膨らませ疾走する帆船のように巨大で勇壮な外観。FGのデザインを実際に施行するに当たって、現存のテクノロジーでは実現できず、世界のトップエンジニア百人以上がコンピューターを駆使し、2年間の研究の末可能になり、結果として30以上の新テクノロジーを開発し、特許を申請したほど。
時間がなかったので今回は外観だけ見てきたのですが、展示スペースは3,500㎡、建物上部にはエッフェル塔等が見える眺めのよいテラスが沢山あり、船首にあたる部分には大ガラス窓を通して、絶えず波のある水面が見えるオーディトリウムがあるとのこと。
東側、船首の部分をほぼ正面から見たところ
帆に当たる部分がこの建物の特徴なのですが、どういう役割を果たすのか、これによって冷暖房や採光の省エネ効果があるのか、装飾価値の方が大きいのか、ネットや雑誌で探しましたがわかりません。来年3月までこの建設についての展覧会がここで開かれているし、ポンピドーセンターでFGの作品展をやっているので、ぜひ見て来たいと思っています。

スーパースターとFLVオープニング日の新聞に書かれた、85歳でなおエネルギッシュな偉大なアーティストFGの果てしない夢と創造性、そして国民の支持率最低の大統領フランソワ・オランド(オープニングに出席していた)など足元にも及ばない帝王、LVHM社長ベルナール・アルノーの情熱と財力があればこそできたもの、確かに素晴らしい・・・しかし外観を見ただけの素人の感想としては、先週のブログで書いたオーギュスト・ペレの教会とは正反対の物だなぁでした。また地球の将来を考えると、12の帆が省エネなどに役立たない限り、私にはグレン・マーカットのような考え方の方がしっくりします。

FGの過去の作品を見ると・・上左からビルバオ・グッゲンハイム美術館、クリーブランド神経(!)内科病院、ニューヨーク8スプルース・ビル(写真は小さくて見えないけれど窓が波打っている)、下左からウォルト・ディスニー・コンサートホール、ヴィトラ・デザインミュジアム。建物の概念を打ち破った功績は大きく、どれもアヴァンギャルドでメガロマニア的な美がありますが、軽さ、明るさ、エレガントさの点では、パリのFLVが断トツでは?



この中でヴィトラの建物はかわいくてかなり好き。ヴィトラの注文だったのでしょうか、ヴィトラらしくて外よりずっとシンプル。意外なのは下の写真の彼のサンタモニカの自宅で、元の普通の家に、トタンや金網などチープな材料を外からかぶせてリフォームしたもの。入口の階段がずれて置かれたり、屋根や窓が傾いていたりと彼らしいけれど、小型なので極端にならず、写真右のキッチンは、明るく使いやすそうで、これもかなり気に入りました。どうも私は貧乏性で、あまりデラックスで巨大な物には拒否反応があるようです。


Fondation Louis Vuitton, 8 av. du Mahatoma Gandhi 16e   http://www.fondationlouisvuitton.fr/
メトロSablons駅から徒歩約10分のブーローニュの森内。LVHMの威力か、メトロのホームからブーローニュの森の中までずっと表示が続き、迷うことはありません。

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